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馬肉の栄養と安全性

馬肉ってどんな栄養があるの?

馬肉は、牛肉・豚肉にくらべて「低カロリー」「高タンパク」なお肉です。馬肉のタンパク質はアレルギーの原因となりにくく、また分解時に生じるペプチドというアミノ酸は豊富な栄養素を持ち、体内に早く吸収される性質があります。ペプチドは肝機能の代謝力を上げたり、疲労回復、高血圧の改善、脂肪燃焼効果や美肌効果などがあることがわかっています。

馬肉・牛肉・豚肉の栄養学的比較表(100g)
グリコーゲン疲労回復、滋養強壮
ビタミンA皮膚・目・全身の粘膜維持
ビタミンE血行をよくする
鉄分貧血予防
カルシウム骨や歯の形成

成分のうちグリコーゲンというのは「多糖類」の一種で、体内で素早くエネルギー源となります。そのため、馬肉を食べると体が温まったり、スポーツ時にフルパワーで活動できたりするのです。また、糖の一種なので牛肉・豚肉にくらべて甘く美味しく旨味の多い味わいとなります。

生で食べて安全なの?

馬肉の食べ方でよく知られているのは生で食べる「馬刺し」です。「生食」というと、その安全性が問われるところですが、馬肉の場合はどうなのでしょうか。

安心の理由[その1]クリーンな肉質

馬はその性質からかなりの運動量(走り回ること)が健康維持に必要ですので、他の家畜のように飼育舎に入れて育てることができません。そのおかげで、飼育中に抗生物質やホルモン剤などの投与が行われず、馬肉・内臓ともにクリーンで安全性が高い食肉となります。

安心の理由[その2]狂牛病・口蹄疫に感染しない

馬はひづめが奇数ある「奇蹄類(きているい)」ですので、牛や羊などひづめが偶数ある「偶蹄類(ぐうているい)」が感染する狂牛病や口蹄疫にかかりません。ウィルスの感染に関係する受容体細胞が異なるからです。

安心の理由[その3]長時間冷凍で寄生虫は死滅する

「ザルコシスティス・フェアリー」は馬と犬だけに感染する寄生虫で、糞便を媒介として馬の筋肉に寄生しますが、-20℃で48時間以上冷凍処理することで死滅してしまいます。つまり、肉を加熱処理しなくても食中毒にかかる可能性がほぼないのです。