馬の品種と飼料
我々、大阪馬肉屋が扱っている馬肉はどのような品種の馬なのでしょうか。またどのくらい肥育をして出荷されるのでしょうか。
今回の馬ログは馬肉の品種や肥育時の飼料(えさ)についてのお話。美味しい馬肉はこうして出来ているんです!
大阪の馬肉ファンのみなさま、こんにちは。春が恋しい大阪馬肉屋の喜多です。今回は馬肉の美味しさの秘訣に迫っていきましょう。
目次
1.馬の品種
2.重種馬とは
3.軽種馬とは
4.飼料(えさ)について
5.与える穀物について
6.まとめ
1.馬の品種
馬の品種は数多く、なんと世界で100種類以上の品種があるんです。100種類もご紹介することは出来ませんので、今回はまずは大きく2つに分けます。馬の品種には【 重種馬 】と【 軽種馬 】という大きな分類があります。馬肉は重種馬と軽種馬のものが流通しており、それぞれでお肉の質が違います。
2.重種馬とは
重種馬はその名の通り、軽種馬より体重が重く大きい品種です。出荷前の重種馬は800kg~1,000kgもの大きさになるんです。実は大阪馬肉屋で扱っている馬肉もすべて重種馬です。重種馬の馬肉の特徴は「 サシ(霜降り) 」がキレイに入ることです。馬肉の特徴はあっさりかつ甘みのある脂。その脂を存分に楽しめるのが重種馬馬肉の特徴です。
[ 参考画像:重種馬 ]
3.軽種馬とは
一方、軽種馬は出荷される前でも大きさは600kg前後です。1,000kg(1t)まで育つ重種馬に比べると小柄でスリムです。競馬中継の競走馬と聞くとイメージしやすいかと思います。サラブレッドは軽種馬の代表的な品種でみなさんも聞いたことがあると思います。福島・会津地方の馬肉は主に軽種馬を使用しており、赤身肉の美味しさが魅力の馬肉が生産されている。部位によりますが、重種馬の馬肉に比べると歯ごたえがあるものが多いです。
[ 参考画像:軽種馬]
4.飼料(えさ)について
美味しい馬肉を生産する上で欠かせないのが、飼料(えさ)なんです。【 馬肉の美味しさは飼料で決まる 】とも言われるほどです。馬が草食動物であることは、みなさんもご存知でしょう。食用の馬も干し草(乾草)や稲わらを食べます。食用の馬はさらに穀物飼料を食べて育ちます。この穀物をバランス良く与えることにより馬肉の品質が高まり、美味しい馬肉になるのです。
5.与える穀物について
穀物を与えることで、肉が霜降りになり、肉質も柔らかくなります。この穀物の配合や量が馬肉の味を左右するのですが、配合や量については各畜産家の方の企業秘密です。一般的によく使用される飼料がとうもろこし、フスマ、大麦、大豆、ビール粕、ライ麦などあり、この中でもとうもろこし、フスマ、大麦が主流です。
またすべての馬に同じ飼料を与えるのではありません、馬にも私たち人間と同じように味の好みがあります。穀物の食べ残しや食いつきなどをチェックし、与える穀物飼料の量や配合を調節するのです。このようなこだわりや努力により馬肉の品質と美味しさが保たれています。
[ 参考画像:馬刺し 極上霜降り ]
6.まとめ
■馬の品種は大きく分けて【 重種馬 】と【 軽種馬 】がある
■当店の馬肉は重種馬
■重種馬の馬肉はキレイな【 サシ(霜降り) 】が特徴
■馬肉の美味しさは飼料で決まる
■1頭1頭の味の好みや健康状態により与える飼料の量や配合が違う
いかがだったでしょうか。美味しい馬肉が出来上がるまでに色々な取り組みやこだわりがあるんですね。今日も美味しい馬肉を提供できることにもっと感謝しないといけないな。と感じた喜多でした。